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作品中の無声映画も新撮! 大正時代を再現した周防監督の“力技”に天晴れ 映画「カツベン!」 (1/2ページ)

 公開中の映画「カツベン!」。周防正行監督の新作は痛快な見応えを約束してくれる。映画はこうでなくっちゃ、とひざを打ちたくなる出来だ。

 その昔、映画に音がなかった時代が舞台。俳優に代わり、せりふを伝えた「活動弁士」がいた。略して「カツベン」。

 周防監督の題材選びはいつもながら天晴。活動写真小屋(映画館とは言わない!)とライバル小屋の対立をからませ、当時は当たり前だった興業と反社の関係を当たり前に描き、大正時代の風俗、においもスクリーンに漂わせている。美術が素晴らしい。小屋の入り口には映画のタイトル以上に、活動弁士の名を記した立て看板が並ぶ。映画のヒットはカツベンの腕、口にかかっていた。

 人気活動弁士を夢見る青年・染谷俊太郎を演じるのが成田凌。泥棒一味に身をやつしていたが、どさくさに乗じ、あこがれの活動小屋へ流れ着く。クランクイン前にプロの活動弁士からけいこをつけてもらっており、その成果は◎。人を引き付ける話芸として成立している。映画の後半、成田の話芸は堪能できる。

 指導した活動弁士として片岡一郎さんと坂本頼光さんの名がクレジットされている。片岡さんの芸は不勉強だが、坂本さんの芸は時折楽しんでいる。最初に接したのは、落語家の立川キウイ師匠の真打ち昇進披露パーティー。禁断のネタ「ザザザさん」の衝撃は生涯忘れられない。

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