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【織田哲郎 あれからこれから】音楽を作ること以外に時間を取られ… いつも足元がぐらぐらする感覚で「やばいな、俺。」と思いながらも悪循環に (1/2ページ)

 1997年に入っても相川七瀬の勢いは衰えず、2月に「トラブルメイカー」という曲をリリースしました。イントロにはトーキングモジュレイターというエフェクターを使っています。これはピーター・フランプトンの「ショー・ミー・ザ・ウェイ」やボン・ジョヴィの「リヴィン・オン・ア・プレイヤー」などで効果的に使われていた音色ですが、日本のヒット曲での使用は初めてだったのではないでしょうか。曲調も歌詞もストレートなロックでした。

 そして同月にZARDの「君に逢いたくなったら…」がリリースされました。こちらはうって変わってミディアムテンポで品のいいバラードでした。

 4月になるとV6に「本気がいっぱい」という、これまたまったく異なるタイプのポップな曲を“エディー・ブルース”というペンネームで提供しました。

 音楽家にはいろいろなタイプの人がいます。曲調もサウンドも自分の色で統一されたタイプの人もいれば、さまざまなジャンルの曲を作るタイプの人もいます。私は典型的な後者のタイプです。

 逆にいうと、同じタイプのものだけを作っているとすぐ行き詰まってしまいます。

 日常にはいろいろな瞬間があります。晴れやかな瞬間、暗く寂しい瞬間、平凡な、でも愛すべき瞬間。私のようなタイプは、どんな瞬間に生まれる情感も音楽に変換してしまいたくなるのです。そうやって情感を音楽に変換するという作業だけしている分には、ずっとスタジオで作業し続けていても平気でした。

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