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【中本裕己 エンタなう】生配信で見事に蘇った三谷幸喜の人気作品「12人の優しい日本人」

 三谷幸喜が「東京サンシャインボーイズ」時代の29歳のとき書き下ろした戯曲で、舞台、映画それぞれ人気を集めた「12人の優しい日本人」がネット上で蘇った。6日にYouTubeで「12人の優しい日本人を読む会」として無料で生配信、今月中は見ることができる。

 本作は映画「十二人の怒れる男」へのオマージュとして書かれた法廷密室コメディーで、1990年に初演。この日は92年の舞台出演者を中心に、近藤芳正、西村まさ彦、相島一之、梶原善、吉田羊らそうそうたるメンバーが集まった。配信にはコロナ対策のリモートワークで一気に広がったテレビ会議アプリ「ZOOM」が使われ、陪審員役の12人の俳優たちは、12分割された小窓で演じる。これが見事に芝居にシンクロした。

 近藤は前説で、「ZOOMに全員入るのに1時間かかりました。リハーサルでは宅配便の方や焼き芋屋さんの音もしました。何があるかわかりません」と冗談めかしていた。だが三谷は、「へんな形でやられると頭くる。だからちゃんとやって」と檄を飛ばした。その期待を上回り、朗読の枠を超える熱演だった。

 リアルタイムで“観客”もチャット参加できる仕組み。「全員の表情が同時に見られて楽しい」「これが無料だなんて。投げ銭してもいい」など好意的なコメントが満載。まさにライブ感覚でベテラン勢の熱量を感じた。それぞれの居室から届ける究極の“密室劇”は、リモート時代の法廷を予感させた。(中本裕己)

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