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【織田哲郎 あれからこれから】コロナ禍で… エンターテインメントは「希望」つなぐ大切な産業 (1/2ページ)

 人間にとって『希望』というものは、生きていくために衣食住と同じくらい必要なものではないでしょうか。

 そして人々の『希望』が燃え尽きそうなときに、寄り添ったり、なぐさめたり、励ましたりといった役割として、音楽やあらゆるアート、エンターテインメントというものがあるんだと思います。

 あるいは酒も同じかもしれません。時には飲んで騒いでこの世の憂さを忘れる、ということも必要ですよね。

 酒も音楽も、それ自体は何の希望にもなりません。でもそれぞれの『希望』がガス欠になりそうなときに、次のガソリンスタンドまでなんとかたどり着くための代替燃料としてなら使えます。へたり込みそうなときに音楽や酒に肩を貸してもらってなんとか立ち上がり、また社会の中でそれぞれの『希望』を模索していくというのは、古来の人類の知恵なのでしょう。

 ところで、昭和の高度成長期の日本は、なんだか空気中の『希望成分』みたいなものが多かった気がします。人類の未来に対して、科学技術の発達を中心に、良い方向へ向かうものだという楽観性があったと思うのです。クレイジーキャッツの植木等さんが歌っていた「そのうちなんとかなるだろう」というセリフは、当時の空気そのものだと思います。

 1960年代には、ロックやイデオロギーで世の中は良く変えていけると信じた若者たちもいました。その後の日本においては、バブルがはじけるまで、ずっと続く経済成長の中でどんどん幸せになれると信じた人々がいました。さらにインターネットなどのIT技術の進歩が画期的に社会を良い方向へ変えると信じられてきました。

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