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【ここまで来た!「放射線がん治療」最前線】粒子線の特性利用 一定の距離に到達すると放射線量が増強 理想的な治療が可能に (1/2ページ)

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 「粒子線治療」には「陽子線治療」と「重粒子線治療」の2種類がある。がん治療における粒子線の最大のメリットを挙げるとすれば、「正常組織のダメージを抑えられる」という点だ。

 従来のエックス線などを用いた放射線治療は、広範囲の正常組織も一緒に照射を受けるので、一定の損傷を覚悟しなければならなかった。特にがんが体の深い部分にある場合、それより体表に近い部分はがん組織よりも強い放射線を浴びるので、がん以上にダメージを受けざるを得ない、という事情があったのだ。

 ところが、粒子線にはがん治療に適した「ブラッグピーク」と呼ばれる特性がある。体に向けて粒子線を照射すると、皮膚の表面から体内を突き進み、ある一定の距離に到達すると、そこで一気に放射線量が増強される-という性質だ。

 しかも、エックス線など光子線は、がん組織の先まで進んでいくのに対し、粒子線はブラッグピークを迎えると、それより先にはほとんど進まない-という特徴がある。

 この特性を利用して、がんの部位でブラッグピークを迎えられるように計画して照射すれば、体表からがん組織までの間は細い糸のような線になって侵入し、がん組織に到達すると、そこで爆発的に威力を発揮、しかもその先の正常組織にはダメージを与えない-という、理想的な治療が可能になる。

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