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【ドクター和のニッポン臨終図巻】左とん平さん、最期まで怒らない笑顔の人生 慢性心不全でも叶う平穏死 (1/2ページ)

★(45)左とん平さん

 チャーミングな垂れ目の奥の眼光の鋭さ。喜劇も悲劇も彼が画面にいるだけでドラマに重厚さが増しました。2月24日に80歳で亡くなった俳優の左とん平さん。死因は心不全でした。

 前回、この連載で取り上げた俳優の大杉漣さんも心不全でした。しかし、同じ心不全でも2人の旅立ち方はまったく違います。心不全といっても大きく分けて急性心不全と慢性心不全があります。

 左さんは昨年6月、胸の痛みを訴えて緊急搬送されました。このときの診断名は、急性心筋梗塞。年とともにコレステロールなどが血管壁にたまってコブとなり、このコブの被膜が破れてできた血栓が心臓の血管を一部詰まらせた状態が狭心症で、完全に詰まると心筋梗塞となります。至急治療しないと命にかかわる病気です。

 幸い左さんは、緊急処置で一命を取り留めました。しかし、その後、誤嚥性肺炎を繰り返し、徐々に体力が低下。ここ数カ月は酸素呼吸器をつけ、会話もままならず寝たきり状態だったようです。

 闘病のあいだに心臓が全身に血液を送り出すポンプ機能が低下する慢性心不全に至って旅立つケースは、珍しくありません。がんばかりがメディアで取り上げられがちですが、日本人の死因の第2位は心疾患。1位のがんで年間37万人(2015年)が亡くなりますが、さまざまな部位にできたすべてのがんの総死亡者数。これに対し、年間20万人(同)が亡くなる心疾患は心臓という一臓器だけの話ですから、心臓がいかに重要な臓器かがわかります。

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