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【安達純子 健康寿命UP術】適量の赤ワイン、カレースパイス、旬の食材が「がんを抑制」 (1/2ページ)

 1990年代に「フレンチパラドックス」という言葉が話題になったのをご存じだろうか。フランス人は、肉食など動脈硬化を促進する食生活を送っていても、心筋梗塞を起こす人が少ないとの疫学調査により科学者が名付けた言葉だ。その要因として注目されたのが「赤ワイン」。ポリフェノールの抗酸化作用などが、動脈硬化予防などにつながるとさまざまな研究報告がなされている。最先端の研究では、赤ワインの成分に細胞を健康に導く作用があることが、明らかになった。

 「細胞は、別の細胞から受け取るマイクロRNA(別項)によって、必要な成分を作る、あるいは、作らない仕組みがあります。マイクロRNAは、いわば命令書ですが、食生活によって変化するのです。それを正す成分が赤ワインに含まれることがわかりました」

 こう話すのは、国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野の落谷(おちや)孝広・分野長。マイクロRNAを用いた産学官連携プロジェクトの「体外診断薬」研究のリーダーを務める。

 2012年、落谷分野長らが発表した論文では、赤ワインのレスベラトロールという成分が、がんを抑制するマイクロRNAの働きを高めることがわかった。

 「赤ワインのレスベラトロールは、アルコールにしか溶けないため、赤ワインを適量飲むとよいのです。カレーに含まれるクルクミンというポリフェノールも、マイクロRNAを正常に導くために役立ちます。マイクロRNAの変化は、食生活で元に戻すことが可能なのです。だからこそ、食生活の見直しは大切といえます」

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