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【ドクター和のニッポン臨終図巻】大好きな家族、仲間、料理が起こした「奇跡の3年」 元女子プロレスラー・渡辺えりかさん (1/2ページ)

★渡辺えりかさん

 最近「孤独」についての取材をよく受けます。死とは誰しも孤独なものです、とお話ししています。

 しかし亡くなった後で、大勢の人が泣いている場面に出合うと、この人には本当の友達が大勢いたんだな、いい人だったんだなと思います。逆に、どんなに立派なお葬式でも、あれ、誰も心から泣いていないぞ? と感じる場面もあります。

 昔、20代の末期がんの男性を在宅で受け持ったときのこと。ご臨終を前に100人以上の友人が家に集まり、その子らを掻き分けるようにして彼の部屋まで辿り着きました。大勢の仲間が号泣しながらのお看取りでした。気づけば私も一緒に号泣…元女子プロレスラーの渡辺えりかさんの訃報を読んで、つい思い出したのです。

 渡辺さんは4月20日、胃がんのため逝去。39歳でした。直後よりレスラー仲間からの哀悼がSNSに溢れました。大勢の先輩後輩から涙で見送られるのはある意味、若い人だからできる旅立ち方です。長生きすればするほど、本当に泣いてくれる仲間も減りますから。

 渡辺さんは以前から心臓の疾患に悩まされ、2006年にプロレスを引退していました。そして、13年9月、35歳のときに胃がんステージ3bと診断。15年3月には肝臓など3カ所に転移していることがわかり、「もう手術はできない。抗がん剤がうまくいって2年。奇跡が起きて3年と思ってください」との余命宣告を受けました。彼女にはまだ小学生の息子さんがいました。

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