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【ドクター和のニッポン臨終図巻】優しく愛おしい時間が流れ… 朝丘雪路さん、津川雅彦との「ロング・グッドバイ」 (1/2ページ)

★朝丘雪路さん

 「診断書にはアルツハイマー型認知症。それ以外はありません」

 最愛の妻が亡くなったことを報告する記者会見(5月20日)で、俳優の津川雅彦さん(78)は穏やかな口調でそう語りました。

 幾つになっても少女のようなお茶目さが魅力だった女優・朝丘雪路さんが4月27日にご自宅で亡くなられました。82歳でした。

 その後、私はいくつかのメディアから、「認知症って、死に至る病なんですか!? どういうことですか?」と質問を受けました。「えっ!? 死なない病気と思っていたの?」と逆に私が驚いています。

 アルツハイマー型認知症で死ぬとは、どういうことなのか? 今回で56人目となるこの連載で、死因が認知症と発表された有名人は、実は朝丘さんが初めてなのです。

 認知症が進行していくに従い、脳の神経細胞が失われていくため、身体の各機能へ脳が指示を出すことも難しくなっていきます。嚥下(えんげ)や呼吸、心肺機能も徐々に低下し、死に至るということです。ゆっくりと訪れる終末期は、老衰とほぼ同義と言えなくもありません。

 私は在宅医療の現場で、認知症の患者さんをお看取りする日々です。しかし、死亡診断書にこの病名を書くことはありませんでした。直接的な死因が肺炎である場合が多いので、「肺炎と書きますか? それとも老衰にしましょうか?」とご家族に尋ねることもあります。

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