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【どこまで分かる その検査】痔瘻などの正確な診断に役立つ 肛門エコー検査

 エコー(超音波)検査といえば、腹部(肝臓や胆のうなど)、乳房、頸部、心臓など、さまざまな部位の検査に用いられるが、「肛門エコー検査」というのもある。「痔(じ)」の状態を調べる検査だが、あまり聞きなれないのは専門性の高い肛門科の医療施設でないと行っていないからだ。

 どんな種類の痔の何が分かるのか。最良の医療を提供するために同検査を行っている「きたやま胃腸肛門クリニック」(東京都世田谷区)の北山大佑院長が説明する。

 「主に用いるのは『肛門周囲膿瘍』を疑うときや『痔瘻(じろう)』の状態を確認するときです。痔の診察は、問診、視診、指診、肛門鏡が基本ですが、肛門エコーを加えることでより正確に診断でき、治療方針の決定に大いに役立つのです」

 直腸と肛門の境には「肛門陰窩(いんか)」というくぼみがあり、そこから細菌が入り込んで感染し、膿がたまった状態が「肛門周囲膿瘍」という。肛門周囲が腫れて、激しい痛みがあり、発熱を伴う場合もある。治療で切開して膿を出せば痛みはなくなる。しかし、7~8割は再発を繰り返し、直腸から皮膚までのトンネルが残ることで痔瘻になる。

 「肛門周囲膿瘍は、肛門周囲に膿がたまれば症状が分かりやすいのですが、上行して膿がたまると肛門の違和感程度で痛みが出ない場合があります。そのような症例でも肛門エコーをすると、膿のたまった位置や量を画像で正確に確認することができます」

 痔瘻になると自然治癒することはなく、手術をしないと完治しない。その場合も肛門エコーが威力を発揮する。トンネルが肛門括約筋をどの程度貫いているか。トンネルは1本だけか、それとも枝分かれしているか。また、原因となっているトンネルの入口と出口が一致しているか、などが一目瞭然で分かる。

 「痔瘻の手術は、浅い痔瘻なのか、深い痔瘻なのかで術式が異なってきます。その病態を肛門エコーで正確に診断することで、適切な手術が行えるので、過剰な治療を避けることができます」

 検査を受ける際は、検査前の飲食などの生活の制約はなく、大腸内視鏡検査のような下剤などを使う処置の必要もない。ズボンをおろしお尻を出して、検査台に横向きに寝て膝を軽く曲げた姿勢で行う。肛門に棒状のプローブ(超音波を発する部分)を6~7センチ挿入するが、潤滑ゼリーを付けるので強い痛みなどはない。検査時間は正味2~3分で終わるという。

 肛門周囲が腫れている激痛や肛門に違和感があったら、最初に受けた方がいい検査だ。(新井貴)

 【検査費用は?】保険適用(3割負担)で、肛門鏡検査と肛門エコー検査を合わせて1500円、プラス診察料などが加算される。

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