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【ドクター和のニッポン臨終図巻】愛する人の腕の中で… マドンナ女優・星由里子さんの最高の最期 (1/2ページ)

★星由里子さん 

 1960年代、加山雄三さん(81)の『若大将シリーズ』でマドンナ役を好演、『モスラ対ゴジラ』など特撮映画にも出演し、映画少年の心をわしづかみにした女優の星由里子さんが5月16日に亡くなりました。74歳でした。所属事務所から死因は「心房細動と肺がん」と発表されています。

 訃報を目にしたとき、私は思わずその記事を二度見してしまいました。2000枚以上の死亡診断書を書いてきましたが、2つの独立した病名を併記した死亡診断書を書いたことがないからです。

 心臓は4つの部屋に分かれています。上2つの部屋を心房と呼びますが、右房内の電気信号の乱れによってまったく不規則に脈うつ状態を心房細動と呼びます。そうなると左心房の中に血栓(血の塊)ができやすく、それが脳に飛んでいくことがあります。心原性脳塞栓(そくせん)症といい、命にかかわる悪性の脳梗塞です。しかし抗凝固剤を内服することで予防できます。高血圧や糖尿病や喫煙などの危険因子が重なって脳の血管が詰まる脳梗塞とは厳密には区別されています。脳梗塞はわが国で現在、約70万人以上が罹患(りかん)しています。

 心房細動は加齢に伴い増えますが、それだけでは直接的に死に至りません。悪性脳梗塞や慢性心不全に至れば最終的に命に関わります。報道によれば、星さんはこれまでに2度、心臓の手術を受けられていたそうです。現在、心房細動の多くはカテーテルアブレーションという治療法で治ります。

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