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【ドクター和のニッポン臨終図巻】森田童子さん、誰にも干渉されない幕引き 引退後は専業主婦として暮らし… (1/2ページ)

★森田童子さん

 この連載を始めてから、新聞のおくやみ欄や芸能ニュースを丁寧にチェックするようになりました。そして、今回ほど情報の少ない訃報は初めてだと感じます。

 フォークソング歌手、森田童子(どうじ)さんが4月24日に亡くなっていました。享年66。死因は心不全との報道も一部ありましたが、詳細はわかりません。

 1975年にデビューし、83年には引退しているので、リアルタイムで知っている人は少ないかも。しかし、93年放送のドラマ『高校教師』の主題歌『ぼくたちの失敗』が大ヒットし、社会現象にまでなりました。私も当時、森田さんの声を聴きたいがため『高校教師』にチャンネルを合わせました。彼女の歌は、生と死の境界線を漂いながら作られているように思えました。

 確かデビュー曲の『さよならぼくのともだち』も、学生運動で亡くなった友人のために作ったものだと聞いたことがあります。

 男性か女性かもよくわからない。レコードジャケットに映る顔も、大きなサングラスで隠されていてよくわからぬまま『ぼくたちの失敗』が街角に流れます。おそらくこの時期、レコード会社の人たちは何度も森田さんにテレビ出演のお願いをしたことでしょう。しかし、森田さんは、首を縦には振らなかった。引退後は専業主婦として暮らし、生涯を閉じたのです。「ひっそりと人生の幕を降ろす」という表現がぴったりな最期だと思いました。

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