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【ドクター和のニッポン臨終図巻】混迷する政界に投げかけた「たるんじゃったな」 毎日新聞社特別編集委員・岸井成格さん (1/2ページ)

★毎日新聞社特別編集委員・岸井成格さん

 「たるんじゃったな、みんな」。毎日新聞社特別編集委員で、日曜朝の『サンデーモーニング』(TBS系)で長年にわたり頼れるご意見番だった岸井成格(しげただ)さん。この春、お見舞いに行った関口宏さんが「何か言いたいことはないかい?」と尋ねた際、一生懸命に声に出して言ったのが、冒頭の言葉だったそうです。

 混迷する今の政治に、言いたいことがたくさんあったのでしょう。5月15日、肺腺がんのため東京都内の自宅で亡くなられました。73歳でした。岸井さんは2007年12月、同番組でS字結腸がんの手術を受けたことを公表しました。大学時代の仲間の集まりに参加したとき、「顔色が尋常ではない」と言われたことを機に検査を受けてがんがわかったそうです。

 手術は無事成功し、3カ月後には番組に復帰。それまでの人生では仕事以外には無頓着だったそうですが、それからは定期的に健康診断を受けるなど、生活改善を心掛けていたとのこと。

 それから10年が経過した昨秋、岸井さんは再び番組を休業しました。10月に復帰された際、関口さんが「帽子をかぶって岸井さんが復帰されました」と紹介すると、「がんの治療でずっと入院してたもんですから。放射線と抗がん剤でいろいろな副作用あって…」と話しました。げっそりとされていました。

 インターネットなどでは、「なんで帽子をかぶってテレビに出ているんだ? 非常識だ」というクレームがたくさんあったそうです。こうした発言はがんに携わっている医師として大変残念に思います。

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