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【ドクター和のニッポン臨終図巻】政治評論家・長野祐也さん、「国のため」人と人との架け橋に… 昨年春に膵臓がんの治療法で相談あった (1/2ページ)

★政治評論家・長野祐也さん

 皆さんは「フィクサー」という言葉から、どんなイメージを浮かべますか? 裏社会の黒幕でしょうか。私は、この言葉にあまり悪い印象を持っていません。縦糸ばかりが絡み合う組織社会において、各キーパーソンを繋(つな)ぎ、社会のために横糸を紡いでいく…例えば、あの西郷隆盛も、凄腕フィクサーだったと言えるでしょう。

 その西郷(せご)どんと同じ鹿児島出身の政治評論家、長野祐也(すけなり)さんが6月25日に膵臓(すいぞう)がんで亡くなりました。享年78。

 長野さんは、『政界キーパーソンに聞く』と『医療界キーパーソンに聞く』という2つの名物ラジオ番組を持たれていました。私は番組に呼んでいただいたことがご縁となり、長野さんと意気投合。「長尾さん、医療と政治がもっと繋がらなければ超高齢化社会は乗り切れませんよ」と、多くの熱意ある人をご紹介していただきました。

 幅広い人脈を持ちながら、私欲に使うことなく利他の心だけで活動しておられました。国の未来のため人と人を繋げることが、何より嬉しそうでした。そんな長野さんから、折り入って相談があると連絡が来たのは、昨年春のこと。

 「実は膵臓がんになった、今後の治療法について相談したい」

 そのときも長野さんは大変冷静でした。悲観する言葉は一切なく、多くの治療法について勉強した上で、「何が一番得策だと思うか」と尋ねて来られたのです。「諦めることはありません。でも、いつか抗がん剤の止めどきが来ます。せっかくの延命治療が縮命治療にならぬよう、止めどきを見極めてください」とだけお話ししました。