記事詳細

【殺人猛暑 熱中症サバイバル術】集中できない、力が入らない、いつもと動作が違う…脳の危険水域「熱失神」  (1/2ページ)

★(5)

 今週は列島各地で40度を観測するなど異常な猛暑が続いている。こうした中、やむをえず炎天下を歩いていると、意識が遠くなるような感覚に襲われることがある。

 「脳が溶けかかっているのかな…」

 こんな風に思うほど意識のおおもとである脳がやられたら、もはや涼しい場所に逃げることも、救急車を呼ぶこともできなくなる。

 脳の専門家に、熱中症から脳を守るための策を聞いた。東京都八王子市にある菅原脳神経外科クリニック院長の菅原道仁医師が解説する。

 「暑さが原因で、頭(思考)が回らない、ボーっとする、集中できない、力が入らない、ふらつく、だるい、眠い、いつもと動作が違う、などの自覚症状が出たら危険水域です。また自分のことではなくても、一緒にいる人に、目がうつろ、受け答えがおかしい、などの症状が見られたら、やはり緊急性の高い状況と判断すべきでしょう」

 菅原医師によると、これらの症状は血液の循環の変化によって起きるものだという。

 「暑さで体温が上昇すると、体にこもった熱を放出することで体温を下げようとして、皮膚の血管が拡張します。すると、全身を流れる血液の量が減り、脳への血流量も減少する。その結果、顔から血の気が失せて、めまいや立ちくらみ、過呼吸や唇のしびれ、さらには失神に至ることもあります。このように血管の拡張に起因する失神を『熱失神』と呼びます」

 菅原医師によると、熱失神を起こす時には、全身の倦怠感や吐き気、頭痛を伴うことが多いとのこと。脳が虚血状態に陥るので、自分の意思でしゃがみ込むというよりは、突然バタンと倒れるのも特徴だ。二次的なケガのリスクが高いので、危険を察知したら速やかに涼しい場所に移動し、座る、横になるなどして転倒の危険性を回避したい。

関連ニュース