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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】手に入らないなら自分たちで植えよう! こだわり抜いた地元産「山田錦」 (2/2ページ)

 瀬頭社長が運転する車は、見渡す限りの田んぼの真ん中で止まった。あたり一帯が自社田で、すべて山田錦を育てている。田植え機は「みのる式」といい、手植えに近いので苗も根も傷つけない。見ていると、通常の田んぼより、苗の間隔がまばらなことに気がついた。これは?

 「背の高い山田錦は倒れやすい。だからしっかりと根を生やさなくてはなりません。また、目的は収穫量ではなく、いかに良い酒になる米をつくるか。それにはタンパク質の少ない米をつくらなければならない。だから肥料もほとんどやりません。収穫の時期にうちの田んぼを見に来てください。お辞儀をするように、上手に稲が倒れていますよ」

 瀬頭社長は米の話になると止まらなくなる。そのほか、佐賀は兵庫より気温が高いので、暖かい水温で稲が伸びすぎてしまう。そこで、田んぼ1枚ずつ圃場(ほじょう)整備をやり、冷たい水に入れ替えができるようにしているなどと、米づくりのあれこれを教えてくれるのだった。

 ■江口まゆみ 酔っぱライター。世界中の知られざる地酒を飲み歩き、日本でも日本酒、焼酎、ビール、ワイン、ウイスキーのつくり手を訪ねる旅を続ける。近著は『ビジネスパーソンのための一目おかれる酒選び』(平凡社刊)。

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