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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「涼」》涼しい北海道で、4・5トンの大御輿を担ぎいでみた 

 北海道は大雪山系黒岳で初雪が観測され、すでに朝晩は初秋の装いだが、短い夏の余韻を体験してみたいと19日、日本最大級の大御輿(おおみこし)を引く祭りを体験取材することにした。

 祭りは、昭和13(1938)年に北海道開拓70年を記念して、創建された北海道神宮内にある開拓神社の大御輿渡御(おおみこしとぎょ)だ。北海道の開拓功労者36人(後に37人)をたたえる目的があるという。今回は神社の80周年、北海道命名150年という記念の年でもある。

 御輿は高さ4メートル、重さ4・5トンという日本最大級。この原稿を出稿した際に、写真を見たデスクから本当に4・5トンあるのかと問い合わせがあったほど威容は感じられない。しかし、これが間違い。

 4・5トンは6本の担ぎ棒の重さも入っている。通常4本の場合が多いが、この御輿は担ぎ棒が6本。100人を超える人員で担ぎあげる。長時間は担げない。力自慢の担ぎ手たちも3~5分しか持たない。このため、常に交代要員が待機している御輿の周りにも常時100人以上の人員が必要という。

 引き手として参加したが担ぐ中にも入れてもらった。まず、入るタイミングが難しい。隙間にすっと身体を入れて担ぎ棒を抱えるが、これが合わない。腕をまわして棒を固定しようとするがどうしても開いてしまう。担ぎ棒が上下に弾むたびに肩を強打する。重さがあるため痛い。頭にもぶつかる。リズムに乗るにはある程度の経験と練習が必要ということが身に染みた。

 担ぎ手は北海道だけではなく東京や京都、長野、三重県伊勢市からも集まっていた。お互い御輿を担ぎあっているという。そのときの交通費も自腹だ。来てもらうためには、自分たちも行かなければならない。

 一つ間違えると大けがにつながるため、音頭をとっている人たちも真剣だ。とはいえ、大勢で声を出し担ぐ高揚感と一体感がたまらないのではないか。ほんの少しではあるが“担ぐエクスタシー”を感じ取ることができた。

 この日、朝は大雨となり気温もそれほど上がらず、決して祭り日和とはいいがたかったが、ひとときの夏を楽しむことができた。

 痛む肩は赤や青のあざが大きく広がっていた。祭りから数日経ってもまだ、くっきり残っている。それは、あっという間に終わってしまう北国の夏の勲章のように思えた。(杉)

 【zak女の雄叫び】取材や日常…。女性記者21人が月ごとのキーワードで本音を綴るリレーコラムです。8月のお題は「涼」です。