記事詳細

【安達純子 健康寿命UP術】突然死も招く睡眠時無呼吸症候群、知らぬ間に心臓に大きな負担 (1/2ページ)

 夜間に何度も呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群は、前回ご紹介したように認知症の温床になるほか、さまざまな病気を後押しするやっかいな病気だ。中でも、長期的に肺や心臓にダメージを与えると、健康寿命を脅かしかねないから注意が必要。

 「睡眠時無呼吸症候群では、呼吸が止まった後、一気に呼吸が再開されることで肺に悪影響を及ぼします。それは心臓の血流も悪化させ、不整脈や心筋梗塞、脳梗塞のリスクも高めることになるのです」

 こう警鐘を鳴らすのは、日本医科大学呼吸ケアクリニック(東京都千代田区)の木田厚瑞所長。数多くの睡眠時無呼吸症候群の診断・治療を行っている。

 肺は空気を吸ったときに膨らみ、空気を吐くときに縮む。この動きは肺そのものが行っているわけではない。肋骨の間の筋肉が肺の膜を広げ、肺とお腹との境目にある横隔膜が下がることで、肺は膨らむ仕組みがある。睡眠時無呼吸症候群で、急に呼吸が再開されたときには、横隔膜が一気に下がって肺を膨らまそうとする。これが心臓に悪影響を及ぼすのだ。

 「このとき、心臓の右側の右心室や右心房が引っ張られて、たくさんの血流が流れ込みます。心臓の右側が血液で膨らむため、左側の左心室の動きが悪くなるのです」

 左心室は大動脈を経て全身に血液を送り出す働きがある。左心室の動きが悪くなると大動脈への血液量が減り、動悸(どうき)・息切れ・めまい-さらには高血圧にもつながる。

 心臓の動きが悪くなることで、不整脈も起こしやすくなる。血液の流れが滞って血栓が生じれば、心筋梗塞につながり、血栓が血流に乗って脳へ到達すれば脳梗塞になる。最悪の場合は突然死にもつながる事態にも。おどかすわけではなく、睡眠時無呼吸症候群は、知らぬ間に心臓にこうした大きな負担を強いている。

関連ニュース