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【長田昭二 ブラックジャックを探せ】地域密着の開業医と大学病院の専門性を兼務 大島医院・大島一太さん

 ★大島医院(東京都八王子市)大島一太さん(47)

 JR中央線・八王子駅から徒歩5分の大島医院は、循環器科を中心に、広く内科全般に対応する地域密着型の診療所。院長の大島一太医師は、曾祖父から続く医家家系の四代目だ。

 「医者になれと言われたことはないんです。ただ、子供の頃に具合が悪くなると、父が手当てをしてくれた。その時の安心感が忘れられず、自然にこの道に進みました」

 医学部を卒業後は循環器科に進み、大学病院や大規模病院で実績を重ねていく。中でも「心電図の解析」には特に力を入れ、医師向けの教科書を数多く出版するなど、その知名度は全国区だ。

 そんな大島医師が開業医の道を選んだ理由は、「予防医学の重要性を感じたこと」だった。

 「たとえば心筋梗塞を発症したとき、すぐに病院に搬送されれば救命できることもあるけれど、状況によっては手遅れになったり、中には突然死で命を落とす人もいる。これを未然に防ぐには、日々きちんと薬を飲んでいるかを確認するなど、細かな医療対応が不可欠です。しかし、こうした対応は、大病院では限界がある。患者の生活習慣から家族背景までを身近に熟知した開業医の役割が重要なんです」

 自らの信念に従い開業医の道を選んだ大島医師に、大学は「兼任講師」の役職を用意した。週に2日半を大学病院で勤務し、残る3日を大島医院での診療に当てる-という案だ。

 「大学病院ならではの専門性の高い医療と、開業医だからできる距離感の近い診療-この両方ができる環境を与えていただき、医師としてこれほどありがたい話はありません」

 大島医師が最重要視するのは、患者との対話。

 「話し過ぎて、夕方になると声がかれてくるんです」と笑う大島医師。ガイドラインやエビデンスだけでない、真の地域医療の姿がここにある。(長田昭二)

 ■大島一太(おおしま・かずたか) 1971年、東京都八王子市生まれ。東京医科大学医学部卒業。同大学院修了。96年、同大内科学第二講座入局。同大学病院、同八王子医療センター、聖路加国際病院に勤務。東京医大八王子医療センター医長を経て、2013年から大島医院院長。現在東京医大循環器内科・同大八王子医療センター循環器内科兼任講師。日本看護協会看護研修学校非常勤講師。医学博士。

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