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【ドクター和のニッポン臨終図巻】山本KID徳郁さん 闘病を支えた格別の家族愛 (1/2ページ)

 ミュンヘンオリンピック(1972年)レスリング代表の山本郁栄さんが父親で、姉の美憂さんと妹の聖子さんは世界選手権を制しているというレスリング一家に育った、格闘家の山本KID徳郁さん。自身のインスタグラムでがん公表をされたのは、8月26日のことでした。

 「絶対元気になって、帰ってきたいと強く思っていますので温かいサポートをよろしくお願いします!」と綴った矢先の9月18日、療養先のグアムの病院で旅立ってしまいました。41歳でした。

 2年ほど前から胃がん闘病をされていたとのこと。先月の公表時には、すでに全身にがんが転移をしていたそうです。どんな気持ちで公表されたのか、胸が痛みます。30代で胃がんになる確率は1万人に1人。KIDさんも、青天の霹靂(へきれき)だったことでしょう。早期発見が難しく進行の早いスキルス胃がんだったのかもしれないと推測します。

 現在、わが国では胃がん検診には従来の胃透視(バリウムを飲むX検査)よりも胃カメラのほうが有効であるとされています。ただスキルス胃がんだけに限れば、胃透視で胃壁の進展性を診たほうが早期発見できる可能性が高いのではという根強い意見もあります。

 しかしアスリートとしてふだんから食生活にも人一倍気をつけていた30代の、これほど強くて元気だった若者が、積極的にがん検診を受けようとは考えなかったはず。最後の最後まで、絶対に治して元気になる! もう一度リングに立つ! という思いは消えなかったことでしょう。

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