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【ぴいぷる】“霧”のアーティスト・中谷芙二子さん「霧の悪いイメージ変えたかった」 (2/3ページ)

 一番大事なのは場所選び。「“借景”です。例えば主客然とした立派な大木が霧に隠れ、遠くの教会が急に際だって見えたりする。そんな風景の中の主従逆転劇も風のパフォーマンス」という。

 地形の高低差や地表の凹凸によっても空気の動きは変わる。加えて気象条件、特に風は大切だ。風向風速や風の道の分析など、専門家にアドバイスしてもらいながら霧の設置場所を選び、ノズルの数を決め、密度や噴射角度などを調整する。

 「当初、霧を追いやる風は邪魔者でした。霧を長く滞留させるため地表を凸凹にしたり、樹木を植えて風をコントロールしようとした。やがて霧や大気の習性が少し分かってくると、『やれるところまでやってみて』と霧に語りかけ、楽しむ余裕が出てきた」と笑う。

 「自然はその摂理に沿って動く。それを素直に受け止め、応えればいい」

 ■背景にある父の教え

 長年、雪氷研究に打ち込み、自然と誠心誠意向き合い続けた実験物理学者の父、中谷宇吉郎(1900~62年)の教えが、背景にある。

 代表作の一つ、国営昭和記念公園こどもの森(東京)にある「霧の森」。時間ごとに霧が辺りに立ち込め、子供らの驚く声、はしゃぐ声がこだまする。

 霧の中に入ると視界は遮られ、一瞬不安になる。普段の生活がいかに視覚頼りなのかを思い知らされる。でもそこから、大人も子供も想像力をフル回転させたり記憶をたどったりと、視覚以外の感覚を働かせていく。

 「自然現象はつかみきれないから、楽しい。霧の彫刻は、人と自然の関係に自由を取り戻してくれるでしょう」

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