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【どこまで分かる その検査】超音波内視鏡検査 膵臓がんの早期発見に威力 (1/2ページ)

 通常の超音波(エコー)検査は、体の表面から超音波を当てて臓器の状態を描出する。しかし、体の奥にある臓器では、胃や腸の空気、お腹の筋肉や脂肪、骨が写ってしまい対象とする臓器が観察しにくい。そこで消化管内のより近い距離から、超音波を当てて検査できるのが「超音波内視鏡(EUS)」だ。

 通常の内視鏡と違うのは、スコープの先端部に小型の超音波装置が付いていること。口や肛門から挿入して検査する。東京逓信病院・消化器内科でEUSを担当する加藤知爾(ともじ)医師が説明する。

 「主に、消化管(食道、胃、腸)から膵臓、胆道、胆のうや粘膜表面に病変の露出のない消化管粘膜下腫瘍(GISTなど)などの検査に用いられ、先端から針を出して組織を採取する『超音波内視鏡下穿刺(せんし)吸引術(EUS-FNA)』を行うこともできます」

 特に威力を発揮するのは、膵臓(すいぞう)がんの早期診断だ。膵臓がんの5年生存率は、リンパ節転移のない2センチ以下で発見されたI期では41・2%。それがII期では18・3%に低下。病期全体で見ると9・2%と、他のがんに比べても著しく低い。それだけ自覚症状が乏しく、早期発見が難しい。

 「膵臓がんは大きさ1センチ以下で発見されれば、約6~7割はI期に入る。1センチ以下のI期で治療した場合の5年生存率は80%といわれています。EUSは1センチ以下の膵臓がんを描出する能力がCTや体表からの腹部エコー検査より優れていることが報告されています」

 各検査の1センチ以下の膵臓がんの描出率は一般的に、腹部エコー検査が17~70%、CTが33~75%、EUSが86~100%という。

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