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【zak女の雄叫び】《zak女の雄叫び お題は「晩」》晩年を迎え、増える「墓じまい」 (1/2ページ)

 子供の頃、お盆やお彼岸は家族との絆を再認識させられる時間でもあった。遠方の祖父母宅に親戚(しんせき)が集まると、おはぎなどたくさんの料理の仕込みが始まり、その一部を持って祖先の墓参りにでかける。大人も子供も大勢で和気藹々(あいあい)と過ごす楽しい時間だった。

 そんな墓をめぐる風景が変わりつつあると知った。自分や祖先の墓を撤去し、更地に戻す「墓じまい」の動きが全国で活発化。少子高齢化や核家族化などの影響で、「墓を託す人がいない」「子や孫の負担になりたくない」といった声が各地にあふれている。

 こうした一方で注目を集めているのが、自治体が運営する「合葬(がっそう)墓」だという。合葬墓は多くの人の遺骨をまとめて埋葬する墓のことで、初期費用以外にお金はかからず、埋葬後は管理を委託できることが多い。

 秋田市は今春、合葬墓の利用者(1500体分)を募集したところ、希望者が殺到。利用枠は即日埋まった。同市の担当者は「こんなに需要があるとは…」と驚きの声を上げていたが、こうした現象は各地で起きている。

 長野県小諸(こもろ)市では、合葬墓の「永代埋葬権」をふるさと納税(24万円)の返礼品として、話題を呼んでいる。受け付け開始から問い合わせが相次いでおり、東京都や埼玉県など首都圏からの申し込みが多いという。

 「時代が変わった」といえばそれまでだが、墓をめぐる事情はどんどん変化している。草木の下に遺骨を埋葬する「樹木葬」、海などへの「散骨」など、自分らしい葬送の在り方を模索する人も増えている。

 昔と比べ生まれてくる子供の数が減り、各地で都市部への人口流出が続く。今の時代、「跡取りだから」などといって、若い人たちの生き方を家や地元に縛り付けておくことはできないだろうし、「墓守をする人がいない」「子や孫に負担をかけたくない」という思いは、人々の切実な悩みといえる。