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【60億人に悦びを TENGAの未来図】アダルトショップで発見した未開拓市場 入店15分で「この業界ならいける」 (1/2ページ)

 33歳の中古車販売員が脱サラし、「0から1」を作り出すメーカーを興すなら、どの業界にチャンスがあるのか。電器店などの売り場をめぐって研究するほどに、道の険しさを痛感しました。

 日本の製品は戦略的なブランド構築、価格帯や性能ごとに計算された小売店での陳列方法など、あらゆることがやり尽くされている。どこにも新参者が勝負できる糸口が見当たらないのです。

 新世紀が迫る1999年。思案に暮れていた5月のある日、久しぶりにアダルトショップを訪れました。多種多様なVHSやDVDの映像作品に目を配りながら、何気なしに奥にある狭くて暗い一角に足を踏み入れたところ、強烈な違和感に襲われたのです。「他の売り場とは景色が違いすぎる」。そこはアダルトグッズのコーナーでした。

 メーカー名も、ブランド名もわからない。大半はバーコードもついていない。AV女優やアニメ風少女を表現したパッケージの製品が多く、そのどれもが露骨に女性器の形を模している。問い合わせ先の電話番号さえ記載がないのは、使って何が起きようが責任を取らないということ。これまで調査してきた家電などと比べて、プロダクトとしてのあまりの水準の低さに、唖然としました。