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【安達純子 健康寿命UP術】油の摂り方に注意 オメガ6とオメガ3の理想的な摂取量は? (1/2ページ)

 冬期に起きやすい鬱(うつ)病の発症リスクを抑えるには、魚介類を1日111グラム食べることが役立つことを前回紹介した。国立がん研究センター社会と健康研究センターが、昨年9月に発表した研究報告である。魚介類に含まれる油の成分「オメガ3系脂肪酸」が、脳の神経細胞や神経伝達物質などに作用し、鬱病発症リスクを下げていると考えられる。

 ところが不思議なことに、この研究では魚介類を1日111グラム(中央値)より多く食べている群は、鬱病発症リスクが上がっていた。過ぎたるは及ばざるが如し、なのか。オメガ3系脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)も、1日307ミリグラムを境に、多く食べる群では、発症リスクが上がっていたのである。

 「オメガ3系脂肪酸は心身の健康に役立つことが数々の研究で報告されています。しかし、日々の食事でオメガ3系脂肪酸をとるときに、その効果を打ち消す油も多く取ってしまうことで、オメガ3系脂肪酸の働きが阻害されるのではないかと考えられるのです」

 こう説明する同センターの健康支援研究部長の松岡豊医師は、精神科医として予防の研究を長年行っている。そのひとつとして、心的外傷後ストレス障害(PTSD)で、イライラして、怖い夢を見るなどの症状に対するオメガ3系脂肪酸の効果を調べた研究がある。

 12週間、オメガ3系脂肪酸のサプリメントを服用した群と、そうでない群を比較すると、服用した群は女性のみにPTSD症状の軽減が見られた。男性には効果がなかった。

 「これは医療従事者172人に対する研究で、数が少ないのでいちがいには言えませんが、少なくとも女性のストレス反応を弱めることに、オメガ3系脂肪酸は役立つ可能性があります」

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