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【ぴいぷる】日本海軍幹部は先の大戦で何を思ったか… 海軍史研究の第一人者、戸高一成氏 (2/3ページ)

 公になるのは2009年のNHKスペシャル「日本海軍400時間の証言」(全3回)。

 番組スタッフと戦史などの勉強会を続けていた06年、「彼らとの飲み会で当時のプロデューサーにテープを持っていることを話したら、抱きつくように聞かせてくれって頼み込まれたんです」。

 同局の熱心な取材もあり、預かっていた25回分のテープのほか、会員が保管していたテープも次々見つかり、全132回のうち、発見できなかったのは約10%まで減る。多くの関係者が鬼籍に入るなか、この録音を調査して放送、同時に証言録としてまとめあげることになった。

 04年から大和ミュージアムの館長に就いていたため、広島と関東の自宅の二重生活。編纂作業は自宅に限られた。

 「自宅で、机の周りに資料を積み上げていないとテープ起こしはできない。まず誰の声なのか。人物と声を一致させないといけません。不明なことは後回しにせずに確認したため、作業が数日止まることも。後になって“あれはね”という会話が出たとき“あれ”が何を指すのか、さかのぼって調べるのは非常に難しい。文字情報では伝わらない感情を感じることもできるので、発言を整理せず、そのままの表現を生かしました」

 岩を穿(うが)ちトンネルを掘るような一歩一歩の作業だった。

 “長い航海”を終えたいま、大和ミュージアムにとっても「有用な仕事だった」と振り返る。

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