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【膵臓がんをあきらめない】前がん状態を発見する「尾道方式」とは (1/2ページ)

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 膵(すい)臓がんは初期に見つかることは少なく、「手術不可能」の段階で見つかることが多い。根治するためには手術で取り除くことが不可欠だが、手術ができないことが多いために生存率は低くなっている。こうした状況を変える試みが、広島県尾道市の医師会によって2007年から行われ、現在全国に広がっている。

 同市ではまず、街の診療所で膵臓がんの危険因子(家族歴、膵炎、糖尿病、大量飲酒、喫煙、黄疸など)を2つ以上もつ患者を探し出し、当てはまる人に積極的に腹部超音波(エコー)検査を行う。エコーで診るのは、膵臓の主膵管が太くなっているかどうかや、液体のかたまり(膵のう胞)があるかどうかだ。

 このような膵臓の状態は「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」の疑いがある。IPMNがあると、膵臓がんになっている、あるいはなる前の病態であったり、あるいは他所に膵臓がんが併発していたりすることがある。

 IPMNがあるかどうかは、診療所から紹介された中核病院で詳しく調べる。検査方法は次の3種類だ。

 □超音波内視鏡(EUS)…口から超音波を発する内視鏡を入れ、胃や十二指腸の壁越しに膵臓のエコー画像を撮る。

 □造影CT…造影剤を点滴で入れ、X線を使って腹部の断面図を撮影する。

 □磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)…磁気と電磁波を使って胆嚢(のう)や胆管、膵管を同時に撮影する。

 横浜市立大学医学部消化器・腫瘍外科学の遠藤格教授は、「尾道モデルによって、膵臓がんをたくさん見つけられるようになってきています。中にはステージ1や2で見つかる人や前がん状態で見つかる人も増えています」と話す。

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