記事詳細

【膵臓がんをあきらめない】高齢者、持病ある人に優しい放射線治療 (1/2ページ)

★(4)

 がんの治療は「手術療法」「化学(薬物)療法」「放射線療法」の3種類が基本だ。がんの根治のためには手術を行い、腫瘍をできるだけ除去するのが望ましい。しかし、手術だけで治療を終えることはむしろまれである。とくに、かなり進行してから見つかることの多い膵(すい)臓がんでは、転移・再発を防ぐために、手術に加えて、化学療法、放射線治療を組み合わせることがほとんどだ。

 がんの大きさ、場所、転移等の理由で手術ができない場合でも、あとの2つの療法を組み合わせることで、連載1回目で説明したように、一部の膵臓がんは手術が可能になるし、手術ができない場合でも延命が可能だ。

 とくにこれまでは、手術以外では化学療法、つまり抗がん剤治療のみを行う病院が多く、放射線治療は、痛みを取る「緩和治療」としての役割がむしろ重視されるなど、治癒の効果がそれほど期待されていなかった。ところが現在では、化学療法と同等に放射線治療を重視している病院が増えている。

 相模原協同病院放射線科(治療)部長の福原昇医師は、放射線療法と化学療法との併用には、2つの意味、方法があると説明する。

 一つは、放射線治療の照射範囲外にある、見えないがんをたたくため、もう一つは、放射線範囲内の治療効果を高めるためだ。前者は、転移を予防する。後者は「放射線増感効果」といい、放射線に対するがん細胞の感受性を高めることを期待して、放射線治療期間中に抗がん剤を併用する療法だ。

 福原医師はまた、放射線治療の副作用を抑えるために、通常は推奨されない「休止期間」を設け、実績を残している。

 「この放射線療法は、75歳以上のお年寄りや、腎臓や肝臓、心臓が悪かったり糖尿病があって化学療法ができなかったりする人に向いています」と福原医師は話す。

関連ニュース