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【膵臓がんをあきらめない】臨床研究、化学療法…進歩し続ける膵臓がん治療 (2/2ページ)

 「術前に抗がん剤と放射線を同時に行い、手術が思うようにできれば、(がんが進行して血管に浸潤した)切除可能境界の人でも30%の人は助かります。最初の診断で切除不能だった人でも20%が切除可能になります」

 化学療法、抗がん剤も近年かなり進化し、数種類の抗がん剤を使う多剤併用が主流となっている。2013年に保険認可された「フォルフィリノックス療法」は、3種類の抗がん剤に増強剤(効果を強める製剤)を投与する。「ゲムシタビン・ナブパクリタキセル療法」は2014年に認可され、2種類の抗がん剤(商品名はジェムザールとアブラキサン)を使用する。

 その他、第1回の記事で紹介したジェムザール(一般名ゲムシタビン)は、副作用が比較的少ないので高齢者や体力のない人に向いているし、TS-1(ティーエスワンあるいはエスワン)は飲み薬なので、毎回通院する必要はないなど、患者の事情に合わせて選べるようにもなってきている。

 ちなみに、ノーベル賞で話題のオプジーボ(免疫チェックポイント阻害剤)や免疫療法は、研究が進められているが、まだ膵臓がんに対する効果は認められていない。

 ところで、膵臓がんの治療を行う上でもう一つ大切なことは、診断がついたらすぐに緩和ケアを開始することだ。

 「抗がん剤の副作用だけでなく、不安で夜に眠れない、などの精神面についてのケアも最初から行うべきです。それを放置すると、食欲が落ちたりして抗がん剤などの治療効果にも支障が出ます」(遠藤教授)

 緩和ケア=死ではなく、症状や不安を和らげて治療を円滑に行うための大切な治療法だということを覚えておきたい。=おわり

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