記事詳細

【マンガ探偵局がゆく】三波春夫に似たキャラクターも登場 ギャグとパロディー散りばめたSF漫画『約束の地』 (1/2ページ)

★ミッション(62)あの国民的歌手が登場するSFは!?

 今回は紅白歌合戦の思い出にまつわるマンガの調査だ。

 「わたしが子供の頃、紅白歌合戦の白組のトリはいつも三波春夫さんだったような記憶があります。前回の東京オリンピックが行われた1964年のオオトリで歌った『俵星玄蕃(たわらぼしげんば)』はいまでも耳に焼きついています。その三波さんそっくりのキャラクターが出てくるマンガがあったと思うのですが、調べてもらえますか」(白組応援団・65歳)

 調べてみると、三波春夫が紅白のトリをとったのは1961年が初。翌年は三橋美智也、65年は橋幸夫に譲ったが、67年までに5回のトリをつとめている。北島三郎や五木ひろしの13回ほどではないものの、印象の強さからか「大晦日は三波春夫でシメた」と語る人は多い。

 その三波春夫によく似たキャラクターが登場するといえば、いしかわじゅんが創刊まもない『週刊ヤングマガジン』に発表したSFパロディーギャグマンガ『約束の地』だろう。

 締め切りに追われたマンガ家・子門大地が苦し紛れに描いた「進行性農夫病」という架空の奇病。ところが、全く同じ病気が存在していたのだ。政府がひた隠しにする奇病の存在が漏れたと考えた。衆院議員・横山大造は子門暗殺を秘密組織「影の農協」に命じた。

 刺客の手を逃れた子門が逃げ込んだのは国民的歌手・村田春夫の楽屋だった。子門から事情を聴いた村田春夫もまた、「進行性農夫病」の存在に気づいていた。

 ギャグとパロディーを散りばめながら、ハルマゲドンへ突き進む本格(?)SFで、当時のマンガ界を席巻していた「ニューウエーブ・コミック」を代表する名作のひとつとも言われている。

関連ニュース