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【ぴいぷる】62歳の“新人”作家・鷹匠裕さん「『けしからん』という義憤が動機です」 (2/3ページ)

 「当時は何年か勤めたら書く道に進もうと考えていましたけれど…」

 クリエーティブな仕事に追われ、気がつけば50歳を超えた。ふと「オレって本当は何をやりたかったんだろう」と自問自答したとき、「小説を書きたかったんだ」と若い頃の自分を思い出した。

 「大学時代、将来を夢見ながら語り合える1つ年上の先輩がいて、卒業後も大阪に出張にいくと食事を一緒にする間柄でした。ある時、僕が読んだ本の面白さを伝えていると『そんなことよりも、お前はいつ(小説を)書くんだよ。書くって言っていたじゃないかよ』と発破をかけられたこともあり、約束を果たしたい気持ちもよみがえって」

 先輩とは、バラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」(朝日放送)で初代顧問としてレギュラーを務めた弁護士の中島健仁さんだった。

 時間があれば筆をしたためるも、まったくの自己流。

 「お恥ずかしいんですが、書き方のイロハのイも知らない状態。原稿用紙の使い方とか、三点リーダーとかも全然知らなくて。ぶっつけで書いては『公募ガイド』などをみて賞に応募するという感じで」

 57歳の時に一度は会社を辞めようと考えたが、「プールの向こう岸にタッチするまでは会社にいよう」と定年を待った。

 「最後の3年はやったことのない営業職。取引先は霞が関の官庁や自治体などの公共事業を担当し、引き出しが増えました。サラリーマン生活があったから小説が書けた。定年までいなかったら、すぐにネタが尽きちゃったと思います」

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