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【安達純子 健康寿命UP術】がん治療のカギを握る遺伝子変異 悪性度高い遺伝子メカニズムが分かってきた (2/2ページ)

 V7という受容体は、がん細胞のPSFとNONOという「RNA」を標的に結合するタンパク質の作用が一因となり生まれる。RNAというのは、持って生まれた遺伝子(DNA)から複写され産生される分子であり、タンパク質を作り出す伝令役である。RNAが変異すると作られるタンパク質が変わり、それまでのがん細胞の仕組みと異なる悪性度の高いがんも生じる。

 「私たちは、がんの細胞内でPSFやNONOが増え、アンドロゲン受容体やV7のRNAへ作用することにより、そのタンパク質の産生増加につながることを解明しました。ホルモン療法に限らず、手術で摘出された悪性度の高い前立腺がんからも見つかっています。なぜ、PSFが数多く産生されるかを解明することは残された課題です」

 持って生まれた遺伝子以外で、がん細胞は遺伝子を変えて治療から逃れ、悪性度を高めることがある。だからこそ、早期発見・早期治療が重要になる。そして、がんを防ぐための心掛けも大切だ。

 「遺伝子レベルでは、生活環境によって小さな変化が起こり、それが病気につながることが近年わかってきました。わずかな遺伝子の環境変化が重篤な病気につながり、健康寿命を脅かす可能性があるのです。食生活の見直しなど健康管理を心掛けていただきたいと思います」と高山氏は話す。改善の年にしよう。(安達純子)

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