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【ドクター和のニッポン臨終図巻】旅行ジャーナリスト・兼高かおるさん 尊厳に満ちた孤高の死 独身を貫き、一番大切だと思うことを実行し続けた人生 (1/2ページ)

 昨年末にこの連載で、平成に鬼籍に入られた人を駆け足で紹介しました。その記事にネットの掲示板では、「なぜわざわざ孤独死と書くのか?」と非難めいた意見もいくつかありました。

 私は、「孤独死」という言葉が平成を象徴する一つのキーワードと考え、あえて書きました。非婚の人が増える中、誰もが家族に看取られて死ぬということはもはや幻想です。

 老年に差し掛かって急に不安になり、「介護と看取りをしてくれる若い女性と結婚したい」と婚活を始める男性もいるようですが、財産目当ての後妻業に引っ掛かってもいいならどうぞ、とつい毒づいてしまいます。また、家族に囲まれていたとしても、醜い遺産争いの声を聞きながら死んでいく人だってたくさんいます。

 人は皆、一人で死にます。だから、孤独、または孤独死は寂しくてみじめなものだという考え方は、そろそろやめにしませんか。

 私は仕事柄、さまざまな人と出会いますが、「一流」と言われる人には一つの共通点があると思っています。それは、孤独を恐れず、勇気に換えて生きているということ。

 1月5日に亡くなられた旅行ジャーナリストの兼高かおるさんも、まさにそのお一人だと感じます。東京都内の介護施設にて、90歳での本当の旅立ちでした。死因は心不全ということですが、突然死ということではなく、年齢とともに心肺機能が低下した老衰によるものだと推測します。

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