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【甘く見てはいけない 前立腺がん最新治療】増加傾向の「前立腺がん」 食生活の欧米化と遺伝的要因 (1/2ページ)

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 日本人の長寿化に従って目や耳にすることが増えてきた「前立腺がん」。生活の質を維持しながら長生きしたいと考える男性にとって、この病気の予防と克服は避けて通れない障壁なのだ。そこで5回にわたって、専門医の最新情報に基づき前立腺がんの現状と予防、治療法を解説する。

 前立腺がんを学ぶ前に、前立腺という臓器について正しく理解しておく必要がある。

 前立腺とは膀胱(ぼうこう)から出た尿道を取り囲むように存在するクルミ大の器官で、精巣で作られる精子を活性化させる「前立腺液」を分泌する役割を担っている。

 ここに起きる前立腺がんは、じつは現在においても明確な発生メカニズムが分かっていない。

 「以前は性的にアクティブな人や晩婚の人がなりやすい-という仮説がありましたが、その後の研究でいずれも否定されました」と語るのは、東海大学医学部付属病院泌尿器科准教授の小路直医師。続けて解説する。

 「人種による比較では黒人に多いことが分かっていますが、同一人種間で比べたときに唯一、信憑(しんぴょう)性のあるリスク因子とされるのが“高カロリーの食生活”。日本に住む日本人と、ハワイに住む日系人とで統計学的に比較すると、後者のほうが前立腺がんになりやすいことが分かっています」

 日本人で前立腺がんが増えている背景には、食生活の欧米化が関係していることは間違いなさそうだ。

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