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【BOOK】「江戸無血開城なければ日本は栄えるどころではなかった」 冲方丁さん『麒麟児』 (3/3ページ)

 --さて、本が売れない時代。今の状況をどうみていますか

 「日本の(出版業界の)弱い部分がもろに出てしまった感があります。ひとつには、翻訳して海外に売ろうとしていないことですね。つまり、日本人が書いたものを日本人にしか売ろうとしていない。人口が減ってゆくなかで、じり貧になるのは当然でしょう。今後どうやって、国際社会でビジネスをやっていくか。それを考えないのであれば、(国内だけの)ミニマムに甘んじるしかありません」

 ■あらすじ 幕末の慶応4(1868)年3月、鳥羽・伏見の戦いに勝利した薩摩・長州らの官軍は、徳川幕府のお膝元・江戸に迫りつつあった。幕府を代表する勝海舟は「江戸無血開城」を行うため、官軍の将、西郷隆盛と会談、大ばくちともいえる決死の戦略に打って出る。武士の世の中が終わり、欧米列強が虎視眈々と日本の地を狙う中で、日本の未来を賭けた世紀の談判の幕が切って落とされた…。

 ■冲方丁(うぶかた・とう) 1977年、岐阜県出身。41歳。早稲田大学第一文学部中退。在学中の96年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞し小説家デビュー。『マルドゥック・スクランブル』で日本SF大賞、『天地明察』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞、舟橋聖一文学賞を受賞。『光圀伝』で山田風太郎賞受賞。『十二人の死にたい子どもたち』が映画化され現在公開中。小説のみならず、幅広いジャンルのメディアで活躍する。

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