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【ぴいぷる】平成の浮世絵師・東學さん 和紙、女体、寺院…ほとばしる制作欲「北斎のようになれたらええな」 (3/3ページ)

 深夜から早朝まで創作し、眠って昼前に起きる毎日。昼の顔は、大阪・ミナミにあるデザインオフィス「株式会社一八八」のアートディレクター。作務衣(さむえ)に雪駄(せった)姿で、劇団☆新感線や劇団そとばこまちなどの演劇ポスター、宣伝美術(グラフィックデザイン)を手掛ける。

 商業デザインではあるが、「デザインはおもしろいからやめられへん。舞台を見たいと思わせる組み立てを考えるのが好きなんです」。

 近年はウォール・ペインティングやライブ・パフォーマンスも増え、15年の大覚寺イベント(京都)では、巨大な鳳凰を描いた。

 和紙、女体、寺院と創造の場は広がり、そのせいか、「寝なくてもすむ体がほしい」。これがいまの願望。

 「90歳で『あと10年、いや5年長生きできたら、本当の絵描きになってみせるのに』と言って死んだ北斎のようになれたらええな。女は描いても描いてもわからへんから」

 果つることなき制作欲。そのほとばしりに誰もが心をかき乱される。 (ペン・西元まり カメラ・鳥越瑞絵)

 ■東學(あずま・がく) 絵師。1963年12月9日生まれ、55歳。京都府出身。扇絵師の父・東笙蒼のもと、幼少期から絵筆に親しむ。14歳から3年間米国留学。当時の作品『フランス人形』は、ニューヨーク・メトロポリタン美術館に永久保存されている。2007年、墨画集『天妖』出版。歌舞伎俳優の片岡愛之助とコラボした墨絵ライブ・パフォーマンス『片岡愛之助特別公演~三番叟~』(14年)は各界から絶賛された。一八八所属のアートディレクターとして、舞台や演劇ポスターの宣伝美術も手掛ける。

 東京・下北沢のザ・スズナリで2月14~17日の間、絵師の鉄秀と組み、禅問答ライブペイント『舞禅』を公演。相手が描く間、受け手は客席に向かって座禅し、描き手が描き終わって座禅すると、受け手が初めて絵を見て、描き加えるパフォーマンスを披露する。

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