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【松浦達也 肉道場入門!】ミシュランが認めた「カネキッチンヌードル」の驚愕チャーシュー (1/2ページ)

★絶品必食編

 「その新星は突然現れ、すごい勢いで進化を続けている」。約3年前、とある連載で、この店の主人をそんなふうに書いた。

 当時は郊外の食堂を週末のみ借り切っての間借りラーメン店「カネキッチン」だった。まだ空席が目立っていた頃でも、そのラーメンは傑出していた。

 麺は特注。スープも鶏、豚、牛すじ、アサリなどから引いただしに、数種のしょうゆをベースに調味をした、澄みながらも奥深い味わいの一杯に仕上がっていた。

 そして驚愕したのが肉である。低温調理の「鳥刺し」やチャーシューの火入れの加減が実に精妙だった。口に入れるとなめらかな口当たりで舌の上を滑り、グッと噛めば柔らかい肉の繊維の間から肉の野趣がしみ出てくる。

 近年のラーメン店では、赤みがかった「低温調理のチャーシュー」をよく見かける。肉をしっとりと柔らかく仕上げるには低温調理はもってこいの手法だが、加熱不足の店も多い。新鮮であっても、豚や鶏の加熱不足には食中毒の危険が伴う。

 現在でもこうした認識が欠けた店はあるが、この店主は3年前の時点で、加熱についての質問に「芯温で63℃30分です」と即答してくれた。当時、飲食店でこうした知識のある店主は少なかった。聞けば、有名店で何年も働き、独立を目指して研さんを積んでいるということだった。

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