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【安達純子 健康寿命UP術】寒い時期の「ビタミンD」不足 糖尿病リスクに拍車 (1/2ページ)

 暦の上では春だが、度重なる寒気が列島を覆う。日光にあたる時間が少ないと皮膚で産生されるビタミンDが不足して、大腸がんなどの病気につながる可能性があることを前回紹介した。ビタミンDは、細胞が正常に働くために欠かせない栄養素であり、不足すると生活習慣病による2型糖尿病(以下、糖尿病)にもなりやすいという。

 「血糖値をコントロールするインスリンは、膵(すい)臓のβ細胞から分泌されます。ビタミンDはβ細胞を保護したり、インスリン分泌を調整したりしているのです。ビタミンDは単なる栄養素ではなくホルモンのような役割を果たす重要な成分です。ビタミンDが不足しやすい冬場は、糖尿病が進行する恐れがあるので注意しましょう」

 こう説明するのは、国立国際医療研究センター疫学・予防研究部の溝上哲也部長。予防医学の研究などを長年行い、昨年には、同センターのHPで公開した「糖尿病リスク予測ツール(https://www.ncgm.go.jp/riskscore/)」の開発に関わった。自分の体重や身長などの項目を入力すると、3年以内に糖尿病を発症するリスクがわかる仕組みだ。

 「冬場のビタミンD不足の状態で、乱れた食生活や運動不足の状態が続くと、糖尿病に拍車をかけます。糖尿病リスク予測ツールでリスクを知り、ご自身の生活習慣を見直すきっかけにしていただけばと思います」

 寒いと休みの日の外出を控えがち。また寒さしのぎで仕事の後に「熱燗で一杯」という人もいるだろう。アルコールは食べ物よりも肝臓での分解が優先されるため、飲酒後には一時的に血糖値が下がる傾向にある。ところが、溝上部長らの研究報告では、日本酒換算で1・5合以上飲んだ場合、飲酒後に顔が赤くなる人は、赤くならない人と比べて、ヘモグロビンA1cの値が高くなることが判明した。ヘモグロビンA1cは、1~3カ月の血糖値の状態を反映する検査である。

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