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【ドクター和のニッポン臨終図巻】作家・堺屋太一さんが国のために捧げた命 (1/2ページ)

 『平成三十年』という近未来小説をご存じでしょうか。といっても、もう過去なのですね。この小説が全国紙に連載されたのは、今から20年以上も前の1997年のこと。

 「中山間地域で過疎化が進む、過疎になるから仕事もなくなる」

 「名目GDPは1300兆にまで膨張し、一方、国債の残高はほぼ2000兆にまで達している」

 「国民の税+社会保障費の負担も上昇。平均的な給与所得者の場合、給料の14%が年金保険料、20%が所得税、6%が地方税として天引きされている…」

 それぞれ数字は違えども、いまの危機的状況を見事に言い当てているこの作品を書かれたのが、作家の堺屋太一さんでした。2月8日、都内の病院で死去されました。享年83。死因は多臓器不全とのことです。

 多臓器不全は、命を維持するために不可欠な内臓-脳、心臓、肺、肝臓、腎臓などの臓器のうち、2つ以上の臓器が機能しなくなることを言います。

 たとえばがんの末期でも、人工透析による腎臓障害でも、重症の感染症でも、急性心不全のような突然死の色合いが強いものでも、あるいは事故や外傷で集中管理の果てでも、死因は「多臓器不全」となることがあります。ですから多臓器不全は病名ではなく、状態なのです。

 堺屋さんがどんな疾患から多臓器不全となったのか報道されていませんが、1月までテレビ出演も執筆活動も変わらずにされていたということですから、報道を見る限りはそれほど重病だったとは思えません。加齢に伴い徐々に身体の機能が低下した結果なのかと推測しています。

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