記事詳細

【ぴいぷる】茂木健一郎「脳科学者が小説を書いたって“ええじゃないか”」 でも…どうしたら売れるんでしょう? (3/3ページ)

 もちろん読む側にも読書は脳的な刺激があるという。

 「脳の中のある回路にデフォルトモードネットワークというのがあって、それが感動と深く関係していることが分かりました。フィクションなどいい作品に感動するとデフォルトモードネットワークが活性化するんですけど、いい小説を読むと自分の人生のいろんなことが整理されるんじゃないですかね。ちょうど脳のマッサージをしているようなイメージでしょうか。フィクションは脳にとっていつも必要なものですし、ないと現実とちゃんと向き合えない」

 今後は?

 「認知科学とか意識の問題を研究してきた人じゃないと書けない小説を、と思っています。ホント見習いの気持ちで日々頑張ってますから。でも、読んでもらうまでが大変なんですよ。どうしたら売れるんでしょう」

 と、冒頭の悩みは消えないが、謙虚に悩みつつ小説に挑む脳科学者の奮闘から目が離せない。

 ■茂木健一郎(もぎ・けんいちろう) 脳科学者。1962年10月20日生まれ。56歳。東京都出身。東京大学理学部、法学部卒業後、東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程修了。理学博士。理化学研究所、英ケンブリッジ大学を経て、ソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。専門は脳科学、認知科学。2005年、『脳と仮想』で第4回小林秀雄賞。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」のMCを務めるなど映像メディアへの出演も多数。小説も手がけ、15年の『東京藝大物語』は自身の藝大非常勤講師時代の経験を基に執筆した。(ペン/竹縄昌 カメラ/荻窪佳)

関連ニュース