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『ステージIV』の“がん難民”に光 阿部博幸医師「生活の質の改善が実感できる」 (1/2ページ)

★ふくろうクリニック・阿部博幸医師に聞く(後編)

 海外で発行されている免疫治療の最新のテキストブック「OVARIAN CANCER IMMUNOTHERAPY」(英オックスフォード・ユニバーシティ・プレス刊)。世界中のがん免疫治療の第一人者を一堂に集めたその執筆陣に、唯一日本から参加した医療法人社団博心厚生会理事長で、東京・九段にある「ふくろうクリニック」で診療に当たる阿部博幸医師に、「がん難民」の救済に向けた取り組みについて話を聞いた。

 「私の開発した樹状細胞という免疫細胞を利用したワクチン療法は、2007年の臨床導入からすでに2000を超える症例があります。その大半が標準医療の対象から外れた段階、つまり“治療法がない”と判断された“がん難民”です。普通であればあきらめざるを得ない状況ですが、それでも『がんと闘いたい』という思いで私のクリニックを訪れるのです」

 同クリニックでは、樹状細胞ワクチンに活性NK細胞療法という免疫治療を組み合わせた治療をメーンに行うのだが、大半の患者の病期が「ステージIV」ということを考えれば、通常は明るい見通しは立てにくい。

 しかし、この1年間の同クリニックでの治療成績を見ると、完治・部分縮小・不変を合わせると全体の75%を占める。つまり、全体の4人に3人に治療の有効性が示される結果が出ているというのだ。

 「樹状細胞ワクチン療法は、がんの種類を問いません。特に肺や大腸、前立腺などのがんでは、強い手応えを感じることが多い」と阿部医師。

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