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【BOOK】沖縄の「戦果アギャー」に魂を惹きつけられた 平成最後の直木賞受賞・真藤順丈さん『宝島』 (3/3ページ)

 --今後は

 「沖縄もまだ書き継いでいきたいし、腰を据えてまた都市部での物語も書きたいですね」

 --平成最後の直木賞作家です。平成を振り返ると

 「僕自身が路頭に迷っていた時代であり、ある種の自分探しのようなものをつづけてきた。次を迎えるにあたって、どういうことができるか、また今までと何が変わっていくのかを小説のかたちで追求していきたい」

 ■あらすじ

 沖縄返還の20年前、サンフランシスコ講和条約で日本が独立したその年、沖縄は米軍統治下の厳しい環境にあった。

 そんな中、基地のフェンスを破って忍び込み、食料品などを奪う“戦果アギャー”が出没していた。リーダー格の“オンちゃん”に仲間のグスク、レイは憧れていたが、彼らはある日、忍び込んだ基地内で米兵の急襲を受ける。騒動の中で、オンちゃんが行方不明になってしまう。恋人ヤマコをはじめ、みんながオンちゃんの生還を待つのだが…。成長したグスクとレイ、そしてヤマコは、米軍機墜落事故、大規模抵抗運動などに遭遇。果たしてオンちゃんの消息は、そして彼らの命運は。沖縄返還までの時期をエネルギッシュな筆致で描いた。(初出「小説現代」2018年6月号)

 ■真藤順丈(しんどう・じゅんじょう) 作家。1977年東京都生まれ。41歳。2008年「地図男」で第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞で作家デビュー。同年「庵堂三兄弟の聖職」で第15回日本ホラー小説大賞など、1年間にそれぞれ別の作品で新人賞4賞を受賞する。10年『バイブルDX』、11年『畦と銃』、12年『墓頭(ぼず)』などを上梓。18年『宝島』が「小説現代6月号」で一挙掲載され、話題を呼んだ。同作は単行本化ののち、山田風太郎賞も受賞した。

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