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【マンガ探偵局がゆく】町おこしの「犬キャラ」は一体何者? 元祖クールジャパン「のらくろ」の主人公 (1/2ページ)

★ミッション(78)町おこしの犬キャラは何者?

 平成の終わりも近いが、今回は昭和初期を代表するマンガ家とキャラクターに関する調査依頼をとりあげる。

 「先日、友人と一緒に都営新宿線の森下にある芭蕉記念館に行った時のことです。見学を終わって周囲を散策していたら、見たことのない犬のキャラクターを飾った“のらくろ~ド”という下町らしい小さな商店街に出くわしました。この犬は一体全体何者でしょうか」(40歳・奥の細道)

 40歳の依頼人がこの犬のことを知らないのは無理もない。この犬は、1931(昭和6)年から10年間、講談社の月刊誌『少年倶楽部』に連載され大人気を博した、田河水泡のマンガ『のらくろ』の主人公、野良犬黒吉くんなのだ。連載当時は、さまざまなキャラクター商品や短編アニメ映画などもつくられ、元祖クールジャパンと呼ぶ人もいる。

 昭和30年代にはリバイバルでブームになり、その後1970年10月からはテレビアニメが半年間にわたって放映された。とはいえ、それも半世紀近く前の話。知っているのは50代半ば以上の人だろう。

 作者の田河水泡は1899(明治32)年、東京都墨田区の生まれ。生まれてすぐに母親が亡くなったために、江東区深川に住む伯父夫婦の手で育てられた。若い頃には画家を志し、落語作家としても活躍。初代柳家権太楼が十八番にした新作落語「猫と金魚」の作者としても知られている。

 マンガ家としては『のらくろ』のほかに『蛸の八ちゃん』『凸凹黒兵衛』などを執筆。後進を熱心に育てたことでも有名で、弟子には『サザエさん』の長谷川町子などがいる。

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