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【雇用延長時代を生きる健康術】樹木希林さんのように最後まで仕事をするには 欠かせない「がんロコモ」対策 (1/2ページ)

 昨年、75歳で亡くなった女優の樹木希林さんは、5年前から全身がんと告白しながらも最後まで精力的に仕事をこなした。人によって考え方はさまざまだが、がんになっても元気なうちは働きたいと思うとき、「がんロコモ」対策は欠かせない。「がんロコモ」とは、がんと診断された後に、運動機能の障害で移動機能が低下した状態のことである。

 「たとえば、進行がんで骨転移の場合は、がんの主治医は骨折しないように患者さんに安静にすることを勧め、痛みがあるときには緩和ケアを紹介するようなことがありますね。しかし、病的な骨折も治療をすればQOL(生活の質)は改善され、寝たきりを防ぐことができます」

 こう話すのは、帝京大学医学部附属病院の河野博隆副院長(整形外科学講座主任教授)。長年、骨・軟部腫瘍を専門とし、昨年、日本整形外科学会がテーマとした「がんロコモ」の発展に尽力している。

 骨転移といえば「終末期」と位置づけられ、麻酔や放射線治療で痛みを取り除きながら安静にするイメージは、一般的に定着している。しかし、がん治療薬の向上で、骨転移でも痛みを感じない人がおり、主治医から画像検査結果で骨のあちこちに転移が見られることを初めて知る場合もある。痛みがなく普通に歩けていても骨転移があると、現状では、「骨折しないように安静にしましょう」といわれてしまう。すると、体を動かさないうちに筋力の衰えで、がんによる骨への影響のみならず、うまく歩けなくなるなど「がんロコモ」に陥りやすいのだ。

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