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【肺がん検診のウソ・ホント】検査機器の差で死亡率が50%減に! (2/2ページ)

 2つの検査方法で調べた50代女性の肺の画像を示してみよう=写真。

 左は通常のエックス線画像だが、円内にあるはずの影がほとんど見えない。一方、右はコンピューター断層撮影(CT)画像で、円内にはがんを示す白い影が見てとれる。

 この違いについて日本CT検診学会の中川徹理事長(放射線科医)は「エックス線でもがんの影を見つけることはたくさんあるのですが、この画像のようにほとんど判別できないケースがある。がんがまだ小さい段階でCTがとらえた例です」と話す。

 CTといっても治療ではなく検診目的の際は被曝(ひばく)量を落とした低線量CTにすることが肝心という。

 この画像の見え方の差は偶然ではなく、今年2月の検査関係の学会でも低線量CT検診の有意性が示される発表があった。茨城県日立市の住民を対象とし、低線量CT検診を1回以上受けた1万7935人(男性9790人、女性8145人)とエックス線検診のみ受けた1万5548人(男性6526人、女性9022人)を追跡し、肺がんの死亡を調査。結果は、低線量CT検診を受けた人の方が肺がんの死亡率が約50%減少したという衝撃的な差だった。

 「CT検診の方が早期の段階で肺がんが見つかり、早期治療を行い、死亡率低下につながったということです」

 研究を主導した日立総合病院呼吸器内科の名和健医師は分析する。

 「低線量CT検診なんて聞いたことがない。自分は大丈夫か?」と“胸騒ぎ”してしまう人もいるかもしれない。世界の実情はどうなっているのだろうか。(大家俊夫)

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