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【雇用延長時代を生きる健康術】「がん検診」の落とし穴… “1度受けて安心”してはいけない「胃内視鏡検査」 (1/2ページ)

 早期発見・早期治療に役立つ「がん検診」。とても大切だが、「受けていれば安心」と油断できない側面もある。

 たとえば「胃がん」。厚生労働省が推奨する胃がん検診は、50歳以上を対象に2年に1回、胃エックス線検査もしくは胃内視鏡検査が実施されている。胃内視鏡検査を受ければ、胃がん最大原因のピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)の有無がわかり、保険適用の除菌を受ければ胃がんの発症リスクを減らすことは可能。除菌すれば「胃がんにはならない」と思いたいが、落とし穴が待ち受ける。

 「海外の研究では、ピロリ菌除菌の翌年に胃がんが見つかった人がいると報告されています。除菌した後の発がんは防げても、すでに発症している目に見えないがん細胞の増殖を防ぐのは、除菌だけでは難しいのです」

 こう指摘するのは、国立がん研究センター社会と健康研究センター検診研究部の中山富雄部長。がん疫学・検診の研究を行い、一般の人にも分かりやすい話に定評がある。

 除菌以前に生じた目に見えない胃がんは、ピロリ菌を退治しても残ったままとなる。時間の経過とともに大きくなり、除菌後の胃がん発症に結びつく。ならば、ピロリ菌除菌は無駄かといえばそうではない。最大原因を取り除くことは大切だが、除菌後にも安心してはいけないのである。

 「除菌後に、翌年もう1度胃内視鏡検査を受けて確かめることが大切です。日本内視鏡学会専門医の資格を持ち、精度の高い技術を持つ医療機関で受けて、胃の状態が正常としっかり確認されれば、5年後、10年後にもう一度受ける。萎縮性胃炎の程度が強い方はもっと頻回な検査が必要かもしれません。内視鏡専門医とよく相談してください。その心がけは胃がんの早期発見・早期治療で大切です」

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