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【ここまで進んだ最新治療】難治性の血液がんに効く「キムリア」が保険適用 自身のリンパ球を使用する免疫治療「CAR-T細胞療法」 (1/2ページ)

 今年5月、製薬大手ノバルティスファーマが製造販売する「キムリア」という新しい免疫治療の製品が保険適用になった。公定価格(薬価)は過去最高額の3349万円。その免疫治療とは「CAR-T(カーティ)細胞療法」と呼ばれるもの。

 対象は、血液がんの一種の「B細胞性急性リンパ芽球性白血病」(25歳以下)と「びまん性大細胞型B細胞リンパ腫」のうち、再発または難治性の患者に行われる。どんな治療法なのか。東京都立駒込病院の大橋一輝副院長が説明する。

 「難治性の血液がんで行われる同種造血幹細胞移植は、ドナーから提供された幹細胞から作リ出されるリンパ球によってがんを叩く方法です。CAR-T細胞療法の場合は、患者さん自身のリンパ球を使います。一度、リンパ球を体外に出して武器を持たせて体内に戻し、がんを叩くのです」

 リンパ球とは、病原体やがんなどを攻撃する白血球(免疫細胞)の一種。CAR-T細胞療法では、リンパ球のうちのT細胞を使う。ノバ社の細胞加工施設で、がん細胞やその他の細胞の表面に発現するCD19抗原を特異的に認識し攻撃するように遺伝子導入により改変され、これががんを叩く武器となる。

 治療対象の2つの血液がんは、CD19抗原を細胞表面に発現するB細胞性の腫瘍。一方で、サイトカイン症候群が半数以上の患者に発現し、神経毒性や血球減少など重篤な副作用が起こりうるため、治療の適応は慎重に判断される。

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