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【江口まゆみ 酔っぱライターのお酒見聞録】安酒イメージから…新たに“プレミアム焼酎”ジャンル開拓へ 「百年の孤独」「中々」など新商品を次々と開発 (1/2ページ)

★「宮崎県 黒木本店」(上)

 宮崎市内からJRで40分ほど北へ向かうと、尾鈴山(おすずやま)を水源とする小丸川が、日向灘へと注ぐ大地に、県内で最も小さい町、高鍋町がある。ここが、明治18(1885)年から焼酎一筋、手仕事にこだわる黒木本店のふるさとだ。

 伝統を重んじると共に、革新を続ける同社が、初めて全国区に躍り出たのは昭和60年のこと。ブレンド用の麦焼酎が余ったため、試しに3年間、樫樽で貯蔵してみたことが始まりだった。当時はまだ、焼酎を長期熟成させることが珍しかった時代だ。

 これが思いのほか美味しかったため、「百年の孤独」と名付けて売り出した。するとその斬新な味わいが、全国の焼酎ファンを魅了し、天皇陛下が皇太子殿下時代に、宮中で愛飲しているらしいとの噂も手伝って、大ヒット商品となったのだった。

 しかし快進撃はここで終わらない。米焼酎「野うさぎの走り」、麦焼酎「中々(なかなか)」、芋焼酎「●(=品の口がそれぞれ七)六(きろく)」などの新商品を次々と開発。これまでの焼酎にないモダンで洗練された味わいは、またしても人気を博し、同時に焼酎の安酒イメージを払拭して、「プレミアム焼酎」という、新たなジャンルを開拓することとなった。

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