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【がん治療最前線】難攻不落の膵がん、1センチ以下の早期発見で根治の可能性も (2/2ページ)

 「オラバリブやペムブロリズマブ、エヌトレクチニブが、膵がんに対して仮に有効であったとしても、膵がんの患者さんの数%に効果があるだけで、膵がん全体の治療の柱にはなりえません。KRAS変異のような膵がん患者の大多数に認められる遺伝子異常に対する分子標的薬、あるいは、新たな薬の開発が待ち望まれます」

 ゲノム医療が進んでも、肝胆膵領域の新たな薬の開発は難しい。製薬会社や医師に対する開発頼みの状況では、新たな打開策を見い出すのが難しく、国を挙げての研究の後押しが望まれている。一方で、早期発見・早期治療は肝胆膵領域のがんにも功を奏すため、血液で簡単に分かるような検査方法の開発なども進行中だ。

 「膵がんも、1センチ以下の早期がんで見つけることができれば、根治できる可能性は高くなります。年齢が上がるにつれ、一般的に発がんリスクは高まります。早期発見・早期治療のための検査方法、新たな治療法の開発など、取り組むべきことが多い領域です」

 壁を突破するカギを探すための治療法は日進月歩。次回は期待される最新の研究について紹介する。(安達純子)

 ■膵がんの薬物療法 保険適用の治療法としては、(1)ゲムシタビン(商品名・ジェムザール)、(2)テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤(商品名・TS-1)、(3)ゲムシタビン+エルロチニブ(商品名・タルセバ)併用療法、(4)FOLFIRINOX療法(フルオロウラシルなど抗がん剤4剤併用)、(5)ゲムシタビン+ナブパクリタキセル(商品名・アブラキサン)併用療法-の5種類が標準治療として位置づけられている。現在、分子標的治療薬や免疫チェックポイント阻害剤などとの併用療法の臨床試験が進行している。

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