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【雇用延長時代を生きる健康術】歯周病がアルツハイマーのリスク高める 歯周病菌が血流に乗って全身へ、脳にも炎症 (1/2ページ)

 いくつになっても元気で働くため、脳を活性化して認知症を予防したい。その願いを叶える重要なポイントとして、口の中の状態と認知症の関りが、近年明らかにされつつある。

 「認知症のひとつアルツハイマー病は、歯周病や糖尿病との関連が指摘されています。歯周病は糖尿病の合併症のひとつといわれるほど関係が深い。歯周病があると糖尿病になりやすく、どちらもあるとアルツハイマー病のリスクが高まるのです」

 こう説明するのは東京医科歯科大学顎顔面矯正学分野の宮本順助教。同大同分野の森山啓司教授の下で、国立精神・神経医療研究センター・神経研究所の本田学研究部長らと共同研究し、噛む運動と脳の働きなど最先端の研究も行っている。

 アルツハイマー病は認知症の半数以上を占め、アミロイドβタンパクが蓄積した老人斑(斑=組織の構造物)を特徴とする。老人斑がたくさん生じ、脳の萎縮と神経細胞の変性喪失で認知機能が低下していく。

 一方、歯周病は、口腔内の細菌によって歯茎に炎症が起こり、進行すると歯茎の中の骨を溶かし抜歯の原因になる。また、歯周病菌が血流に乗って全身を巡ることで、脳にも炎症を起こし、それがアミロイドβタンパクと関わると報告されているのだ。

 さらに、糖尿病では、免疫力の低下で感染症になりやすいため、歯周病を悪化させる。加えて、糖尿病でインスリン不足に陥ることが、アルツハイマー病を悪化させると示唆する報告もある。

 結果として、歯周病、糖尿病、アルツハイマー病は、合わさることで3つとも悪化する悪循環に陥りやすい。逆に、歯周病を防ぐことで、糖尿病とアルツハイマー病予防につながるのだ。

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